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* 道具・力学7:時計(BC3000:日時計、BC1500:水時計、700:砂時計、1300:機械式時計)

Q7: 1日はなぜ24時間なのか?

 12進法の利用は日時や1ダースの個数、音階1オクターブの半音分割数などに使われているが、12という数字は意外と便利さを持っている。12の約数は、2、3、4、6、であり、10の約数、2、5に比べると倍もある。これが便利さを引き出し、数字を1/2、1/3や1/4にして考えるとき役に立つのである。例えば10進法では半分は簡単だが、1/3や1/4が簡単ではない。10進法はたまたま人間の指の数が10本だったため、モノの数を数えるのに都合がよかったに過ぎず、意外と不便な数字と言える。上記クイズにあるように1日は12進法が使われているが、では1時間はなぜ12分ではなく60分なのだろう?60という数字は実は12と10の最小公倍数になっていて、10進法でも12進法でも扱いやすい数字であり、その約数も2,3,4,5,6,10,12,15,20,30と割り切れやすく、便利さはこの上ない。又1時間をより細かに表現したほうが、実用上便利だったため1時間以下の単位は60進法で作られた。

 ところで時を計る「時計」の発明だが、歴史的にはまず日時計が使われた(BC3000年以前)。天体の運行を利用して時間を決めるのは最も素直であろう。おそらく無人島に一人残されたら、誰もが日時計を作るに違いない。晴れた日以外は使えないことや、季節偏差があることなどが欠点だが、季節偏差は補正型日時計が発明され、さらに携帯日時計も作られていた。次にBC1500年頃、水時計がエジプトで使われ始めている。水をためた容器から水が流れ出る現象を利用したもので、数分程度の短い時間の計測に使われた。又、中国においては本格的な水時計(漏刻(ろうこく)と呼ばれる)が発明されている。水時計の欠点は、容器に残る水の高さで出水スピードが変化してしまうことである。中国人はたくみなアイデアでこれを改良、まず水の減る量を測るのではなく、下の受け皿にたまる水の増える量を測るようにし、上部の容器を2段式(もしくは多段式)にすることで、中段容器の水位を安定に保つように工夫した。こうすることで、出水量が安定化され水時計の精度が上がったのである(中国恐るべし)。

 水時計をベースに次に砂時計が作られた。さらに火の燃える時間を利用した燃焼時計なども利用されるようになったが、長い時間が計れる実用的な最初の時計は、錘(おもり)が重力で下がる力を利用した機械式時計であった。これは1300年代にヨーロッパで作られ寺院の塔などに設置された。さて、ここで考えてみよう、錘の下がる速さは重力による加速運動のため時間とともに速くなってしまう。時計を一定に進めるにはこの下がる速さを等速にしないといけないのだが、一体どうやって、等速化を実現したのだろうか? 時計とは自然現象の中から、等速性や等時性を引き出すことが発明のポイントである。ここで「テンプ」と呼ばれるシーソー的な動きをしながら歯車の動きを1定速でコチコチと刻みながら進める機械部品が発明されたのである(発明者不明)。テンプはその後ゼンマイや振り子を用いた機械式時計の進化においても心臓部として活躍してゆくことになる。

 現在、機械式時計は一部の高級工芸品を除きあまり使われなくなり、ほぼ電気式のクォーツ時計になっている。これは水晶の結晶に電圧を駆けたときに生じる安定な振動現象(32.768kHz=2^15Hz)を等速源として、これを分周(周波数を電子回路で分割してゆく)することで1秒を得る手法である。これにより時計の精度は機械式の±5秒(日差)から±20秒(月差)程度へと飛躍的に良くなった。最近の高級クォーツ時計では±5秒(年差)というものもあり、さらには標準電波、JJY(福島県田村市都路町;大鷹鳥谷山、40kHzと佐賀県佐賀市富士町;羽金山、60kHzの二箇所)を受信し、クォーツ時計の時刻を自動修正する電波時計に進化を遂げ、実質的に誤差ゼロ秒となるに至っている。表示方式はアナログ的な針式に戻っているが、一部液晶表示を利用したデジタル表示も使われている。

 機能的には見事に進化した時計であるが、最もロマンを感じさせられたのは何と言っても、あの細かい精密ギア、テンプやひげゼンマイで芸術的に構成された機械式の腕時計であろう。温度安定性、ゼンマイ駆動の安定性、自動巻き方式など様々な工夫が凝らされながら微小機械の極限技術がそこに開花されていた。しかも肉眼で見え、手で直接加工修理できるぎりぎりのサイズであることから、多くの少年(少女?)に分解、再組み立てのチャレンジ精神を植えつけたのである。現在の電子時計にはこの見事さは残念ながら見られない。全てが集積回路の中に閉ざされブラックボックス化してしまったからである。そこには修理や手工芸の考えも見当たらない。完成され、低コストを実現した量産実用品ではあるが、一種の空しさが漂うと感じるのは私だけだろうか?それがデジタル化による技術の終着駅とすると、なにかさびしさを感じさせる。

宿題7:現在の世界標準時計は何か?又その精度は

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