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* 道具・力学4:音階の発明(BC6C頃:ピタゴラス)

Q4: ドレミファソラシドという音階は誰がいつ頃発明したものか?

 おそらく音楽は、動物の骨などを叩きリズムを刻むことから始まったのだろう。狩猟の祝いや神への祈りのようなイベントに使われて場を大いに盛り上げていたに違いない。リズムの面白さを知った人間は、次に鳥の鳴き声や自分達の声のように音程を自在に変化できる楽器を作りたくなった。古代遺跡で発掘される古い楽器には笛が多く、風に吹かれて自然に発生する音に惹かれた古代人が工夫をこらし発明したものだろう。21世紀に入りドイツ南西部の洞窟で発見された人類最古の楽器は、約3万年前の旧石器時代にマンモスの象牙で作られたフルートであり、半円形の器断片二つを空気が漏れないように巧みにつなぎ合わせ作られていた。このフルートは変化に富む美しい音が出たそうで、当時の人類が想像以上に高度な音楽を演奏していたことが想像できる。

 ところで最古の音階(メロディー)がいつ発生したのかは実はよく分かっていない。現在のドレミファ‥の音階の基が生まれたのは古代ギリシャ時代だった。この頃の音階は下降音階が7種類もあり、現在の音階が2種(ドから始まる長音階とラから始まる短音階)に限られているのに比べるとバラエティーに富んでいた。この音程は現在のドレミに近い7音からできていて、自由に選べるはずの音程を、早いうちから7音に集約していた事に興味が湧く。自然界に聞こえる心地よい音がこれら7音だったのか、それとも人間の聴覚にとってこれより細かい音程差は聞き分けにくいからなのか。又、民族によっては7音のうち、5音や4音のみで独自音階を展開している例も多く、例えば日本の伝統的な旋法は5音でできている(ドレミソラのいわゆる四七抜音階でスコットランド音階と同じ)。

 ピタゴラスの定理で有名な数学者ピタゴラスは、2点間に張られた弦の響きを数学的に分析することで、音階の成立理由を発見した。彼の発見は次のようにとてもシンプルなものである。まず1本の弦を弾いて出る音を基本音(例えばド)として、その弦の長さを1/2にすると、1オクターブ高いド、さらにその1/2つまり最初の1/4にするとさらに1オクターブ高い(つまり基本音から2オクターブ高い)ドが得られることを見つけた。次に基の弦の長さを2/3にすると、ドから5度高いソの音が得られ、これらドとソを同時に鳴らすと実によく調和して響くことを発見。そこで、次から次へと2/3倍して5度高い音を作り続けていったところ、順番に、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シ、♯ファ、♯ド、♯ソ、♯レ、♯ラ、♯ミ、♯シと変化し、13番目に最初のドにほとんど同じ音♯シが再現されることに気が付いた。つまり良く響きあう5度音を作り続けると全音階の12音が全て現われるのである、これはピタゴラス音階と呼ばれる。

 この12音はピアノの白鍵と黒鍵を合わせた12個の音に対応している。そしてこの12音から7音を選びだし、音程順に並べたものがドレミファソラシという音なのだがどうやって7音を選択したのか。歴史的にはまず5音が選ばれたという説の信憑性が高い、その5音は、ピタゴラスが見つけた5度上昇音列の最初の5音ドソレラミである。オクターブ内で並びかえると、ド・レ・ミ・ソ・ラとなり、多くの国で見られる四七抜原始音階に一致する。さらに次の2音シと♯ファを入れるとドレミ♯ファソラシドとなるが、これではミから♯ファのところのジャンプが大きく(全音が3回続いてしまうため)音階の流れとして急な坂を登るようで少しきつい。ここで♯ファをファに半音下げると(現在の長音階)非常に上昇の流れが美しくなる。さらにこの音階だと、ドミソ、ファラド、ソシレという主要(長)3和音がうまい具合にできるのである。このような選択は、おそらく長い時間の中で経験的に行われていったのであろう。

 ところで、ピタゴラスとほぼ同時代、古代中国でも漢の才人京房が竹笛の長さを2/3にすることで生じる音列より同様な12音階を発見している。そして日本にもこれが伝わり12律と言われる邦楽の音階が用いられるようになった。12律では長音階に対応する「呂旋(りょせん)」と短音階に対応する「律旋(りつせん)」の2音階があるが、この両音階をうまく演奏し分けられないことを「呂律(ろれつ)が回らない」と呼んでいたらしい。現在では、酩酊して口がうまく回らないことに意味が変化し、使われている。

宿題4:ピタゴラスのドレミファ音階は現在のピアノのドレミファ音階と、実は少しだけ音が違っている。ピタゴラスは何か間違っていたのだろうか?

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